quotes」カテゴリーアーカイブ

2009/10/28

“bungei / 2oo9 / winter”とその周辺

{1}青山七恵×磯崎憲一郎 “これから小説を書く人たちへ”
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309977256

……
7恵(以下[7])「紙に手書きの字が書いてあるだけだとまったく小説っぽく見えないんですよね。ただ自分の書いた文字っていう感じで、これは小説にはならないと思って数ページでやめてしまいました。転機は大学に入学して、パソコンの使い方を教わったことなんです。パソコンだと書けました。」
憲1郎(以下[1])「きっかけは道具が書かせたという感じですかね」
7「ひとつのきっかけでしたね。パソコンだとちょっと書いてプリントして読むと、もう活字じゃないですか。「あ、これはもう、小説っぽくなってる」っていう感激があって、それがどんどん積み重なって、ひとつの作品が書き上がったという感じです。」
(……)
7「だって実際、二、三時間もぶっ続けで書いたりとかってしませんよね。」
1「僕が思うのは、小説家にとっては、小説の時間が実はすべてのほかの時間を内包しているのであって、小説の時間の中を常に生きているから、どこか三〇分とか一時間とかを切り取って小説を書く時間にしたり、小説を読む時間にしたところで、ぜんぜん分断されないというか、もうすでにその中にいるところの時間に過ぎないんですよ。僕たちにとって社会的な生活というのは小説の時間の、小説的生活の中の一部でしかないのかな、と。」

{2}保坂和志文藝賞選評
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309977256

……作者は世界や人間の負の側面を書かなければ小説にならないという間違った小説観をもっていて、律儀にそれを実行したようだ。しかし一八四ページの犬の始末にまつわるくだりに端的にあらわれているように、この作者の視線はやさしい、というかちゃんと見えている。実際に犬を始末する人間はこんなことを考える回路を持っていない。つまり自分以外の人間やまして動物に内面がある、などと考えたこともない。相手が見えるということは、世界と人間に対する肯定の基盤であり、だから主人公もサダも母もサダの母も父もナンバーセブンも、うとましいのに嫌いになれない、どころ好きになってしまう。この距離感は絶妙であると同時にこの作者独自のものだと思う。
いっぽう『ボーダー&レス』は、小説に対する素朴なイメージから書こうとする作品の設計図が事前にあり、『犬』が作者の視線の独自性によって既成の尺度だけでは評価できない、読者の読みに対して能動性を促す作品となっているのに対して、設計図どおりであるがために既成の尺度だけで測られる受動的な作品の域を出ない。
(……)
「やり逃げかよ」という一文は、在日云々よりもずっと、設計図を破るポテンシャルを持っている。

{3}ところで私が中高生であった頃の話。
「国語」が好きで成績もよかったのは、教師の趣味による取り上げられる作品(作家)の偏向のせいもあって、明らかにそこで求められる正答とそれに至る理想的な思考の過程とでも言うべきものがハッキリと見えていたからである。なぜあれほどまでに露骨にフレームワークが示されているのに、それをトレースできない人がいるのか今でも不明だが、そういった教育のデメリットとして、私が小説の醍醐味は作家間(作品間)に示されるフレームワークの違いであることを理解する為には埴谷雄高の洗礼が必要となった。
{4}世界文学全集@NHK
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/mon/index.html
池澤夏樹が最近NHK教育で夜に世界文学全集の番組をやっている。そこでは(フォーマリスティックな言い方になるが)重要な形式の違いというものは、どうしても『サルガッソーの広い海』的な話として展開されるのだ。植民地、民族、文化、制度、マイノリティ……。が、それは実は同一平面上に位置しているのではないか。
とはいっても、何故、私は池澤夏樹を嫌いになれないのか。どうも私が育ってきた環境(というか趣味というか、個人的な好悪)によるものの気がする。
{5}もちろん注意する事
DAS KAPITAL
“The road to hell is paved with good intentions” by Karl MARX
{6}岡崎乾二郎『芸術の設計』
http://www.filmart.co.jp/cat138/001004.php
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1870715
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1870873

{7}走る、もちろんバイクでだが。
燃費が良くなっていく、どんどん。ついに最近は当初のリッターあたりの約160%程度距離が伸びている。これを不審に思うのは何故か。

コメントを残す

2009/10/26

体はこわれる。私は死ぬ。

takeda.gif 本日、武田幸三引退。久しぶりにブラウン管を見ていただけで目から汗が。ワタシというものが感覚するものは、言うまでもなく信じるに足らないもの(ワタシがコンテクストや制度や言語を離れて自由に”感じる”なんて、バカじゃないの)なのですが、やっぱり身体がぶつかって壊れて動かなくなるというのは、まぁなんというか有無を言わさぬ説得力があるというか、信じざるを得ない。いずれ僕も死ぬのだ。記憶が曖昧なので何とも言えないが船木の引退戦(VSヒクソン)を思い出された。
くれぐれも岩下と仲良くやっていって下さい。

コメントを残す

2009/10/21

77777

77777

0.png

コメントを残す

2009/09/22

僕らの変拍子

http://www.takeshihosaka.net/
保坂毅@Youkobo Art Space。
ご本人がいたので作品についていろいろ訊いてみたら、やっぱり作品を見ていて思っていた通りだった。やろうとしている事が”超どストレート”で、(たぶんコッチ系は全然わかんねー的な事を言う人も結構いると思うのですが)すごく好感が持てるし、その上でウマイって、どんだけこっちを嫉妬させれば気が済むんだ。作品を作る身としては大変妬ましい励まされる展示だった。あ、あと恥ずかしながら少しは自分にも絵画を見る力がついてきたのかなぁとも思った。
つーか、なんかスゲー良い人っぽい感じだったわ、勘違いかもしれないけど。とはいえ美術手帖に載っていたのは見たのだけれどちゃんと内容は読んでいない状態で、ご本人と色々と話して、で、その後読んだら、話した事がだいたい書いてあってちょっとショック。なんだかなぁ、不躾は承知でもっと踏み込んで話せばよかった。
※ホメゴロシっぽくなってしまったから、ちょっとした疑問点を自分用にメモ。
組作品は、組み合わせが決まっていないというのは以外だったし、そこらへん(バリエーションができる)をどう考えているのかは興味がある。インスタレーションと絵画という区分。”別に区分けしなくても良い説”もあるが、それぞれの違い(開いている⇔閉じている)は制作上の方法論の立脚点としてかなり重要、というか作り方が変わってくるのではないかと思ったりもするけど。

コメントを残す

2009/09/09

beyond the wor(l)d !

『うわさのベーコン』 pp.65-66

 わざわざ、体力の減る手術など受けてまで早く治そうとしなくても、普通にちりょうを受けていたら治っていたのものですが、手術をして下さいと医者に頼みました。
 一回だけで、もう、グッタリしているのに、もう一度やって下さいと言っています。
 この手術も成攻すると思います。
 手術をしたら、また、グッタリしました。前よりもどんどん悪くなっている様な気がしてなりません。それは、私の見舞いにきて下さる方々も思っていらっしゃるでしょう。しかし、皆んな私の前ではそんな事を一口もおっしゃいませんでした。
 せっかく助かる命も、私の我ヶままを通してもらって、先生に手術を二回もやってもらったお陰で、いずれ死ぬ人になってしまいました。私を世話して下さる人は大変でしょう。
 私が死んだら、そう式(そうぎ)をして下さるのでしょうね。父、母、先立つ娘をお許し下さい。
 私は死にました。死ぬ一日前に私の知っている人々が、ほとんど来て下さいました。その時は、まだ医者に私が死にそうとは誰も聞いていませんでした。皆んなが帰って後、しょうとう時間になり、もう、私は生きていけそうにもなれず、ブザーをおして看護婦さんを呼びましたが、看護婦さんが来られた時は、私はもう死んでいました。
 家族が来たのがその後です。
 私はそうしきをしてもらいました。その時、普段泣かない人も泣いていました。私はじょう仏できそうです。
おわり

コメントを残す

2009/09/08

この世に一つだけの存在である私

さて、今年の夏も終わりました。
というわけで、この夏、見たものについて書いておこう。といってもこの夏は(いや秋口も)美術館にはろくな展示がなく(アイウェイウェイも鴻池もダメではないと思うのですが、最早あんまり興味ないのですよ。あ、とはいったもののMOTはリテラルにダメだから。)越後妻有をのぞいて、見た物と言えば、つまりアニメ映画2作品だけだったりする。
Evangelion 2.0
こっちは前に何かしら書いたのでもう良いのだけれど、はてな村をはじめレビューやら何やらが出揃ったところで、どうしても気になる事がある。
というのも、映画の評価は賛否両論あるようだがまとめてしまえば……
A  賛否両派=映像的にはヤバイ(CGとか作画とか演出とか)
B1 賛派=シンジくんの決断主義的態度を評価する
B2 否派=シナリオ的に、アスカの扱いも含めて葛藤(というかアイロニーとういうか、つまるところドロドロ)が足りない
という感じ。
で、賛否が分かれるBについて、まぁB2はもう前回たっぷりやったからいいんじゃねーのか、というのが僕の感想なのだけれども、とはいえベタにB1でよろこんでいるスイーツ(笑)な方が多いので、あらあらと思った次第。シンジくんの決断内容自体には価値なんてないでしょ。
タイトルが”YOU CAN ADVANCE”ではなく、”YOU CAN (NOT) ADVANCE”であることを忘れたのか。χαραに庵野秀明という男がいるのを忘れたのか。忘れっぽい方々の為に、もう一度アレをを貼付けておこう。油断すれば痛い目にあう事を、再びあのトラウマから学び直すべき。

Summer Wars
相変わらずのネ申演出。おばあちゃんが死んだ朝の長回しとか、夏樹先輩が小指を握るのが、侘助とおばあちゃんに接続されるとか、馬過ぎ。が、「ときかけ」で期待が高まりすぎたせいもあって、不満もいっぱい。
・家族を美化し過ぎ。田舎の親戚なんてもっと醜悪なものだ。(だれがパチンコで破産したとか、あそこんちの嫁は子供産んだが父親がわかんねぇとか、そんなゴシップばかり。あとゲイとかは抑圧される≠カズマくんのことではない……いや、もしかしてカズマくんが表象しているのはそういう立ち位置なのか?だから、暗い部屋で1人でネットなのか?だから二次創作でゲイなのか?)
・何よりも侘助がカワイソスぎる。侘助は1ミリも悪くない。
・ババアは何か分かっているようで何も分かっていないのに、良い人として扱われすぎ。
・結局、「家族」というモノが、「近代のソレ」から何も変わっていない。(まぁ、最後のドイツ人少年によってそこんところは救われたが、だったらここでアバターの小指つなぎ的演出があってもよかったかと)
・ネットでの連帯に希望を描くならば、もっと非倫理的なカタチで、つまり2ch的”祭り”のようなカタチで書かれたほうが、よっぽど倫理的ではないか。「愛は地球を救う」的な話というようなフレームワークに落ちていってしまうとすればなんだかなぁ、と思わざるをえない。それよりは勘違いのノリで集まり、キングカズマで「神キターーー」的展開となり、その他オープンソース系コミュニティの職人の加勢もあって、なんとなく助かった、みたいな。
・で、夏樹先輩は何もしない割においしすぎじゃないか。
・あと、リアルな話で恐縮だが、サーバ管理者は何やってんの?あと端末が古過ぎ。
・最後に、グローバルなネットワークプラットフォームのデザインが村上って美術史的にはあり得ないし、最悪。村上がやってんのは西欧の歴史に属せなかった極東の土人がその歴史に居直る作戦でしょ。(村上のそういう戦略自体がしょーもないのは言うまでもないから、それは置いておいても良いとして)これじゃあ外人連中は黙っていないだろうし、逆に彼らを村上が淘汰するのが未来なのだとしたら、これ以上恐ろしいことはない。

コメントを残す

2009/09/02

NISHIOGI GO IHS IN

路地in善福寺さくら町。昨晩、散歩していた。
http://qwalunca.blogspot.com/2009/07/blog-post_23.html
http://mahalo5656.exblog.jp/3933141/
http://naka54ori56zang66.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/2-3d14.html
http://www.odani.net/odn/?p=14
MOYAMOYA
#1
#2
http://televiewer.nablog.net/blog/f/20183250.html
1st ranked department store
アラーキーはダンテ→慈光→ベガ→鞍馬(無相創にはいっていない)。2008年の春。私はそっち系なら夢飯よりハンサム派ですが。
http://www.5-life.net/magazine/article-284.html

コメントを残す

2009/08/31

subcul Monday

Another Push Pin Planning
夜中に前を通るたびに電気がついていて、絶対に制作会社だと思っていたのだが、ついに発見。狂乱家族日記は見ておりましたよ。
あとリクオもハルちゃんも木之下さんもいなかったけれど、世田谷線はやっぱりいいよね。
http://maps.google.com/maps?hl=ja&client=safari&q=%E6%9D%BE%E5%8E%9F%E9%A7%85&lr=&ie=UTF8&ll=35.660358,139.641624&spn=0,359.996591&z=19&layer=c&cbll=35.659811,139.642028&panoid=thER5CtSf6KWKyDynlRabw&cbp=12,110.61,,0,-7.33
http://park5.wakwak.com/~tanaka02b/comic/yesterday.htm

コメントを残す

2009/08/26

山本直樹とか阿部和重とか

yagilyota@YouTube
http://www.lyt.jp/
タイトルとは直接関係ないのだが、関係あると考えてみる(とどうなるだろうか)、という意味において関係があるのですよ。

しっかし、なんで無人島プロダクションなんかなんだろ。いや、チンポンがクソなだけか。
あと、これは本当に関係ないけれど、山本直樹は気付いたらベストワークスを出していて、「夕方のおともだち」が入らなくてショック……と思っていたら、2冊目で表題作になっていて、本当によかった。

コメントを残す

2009/08/23

a drop of perspiration run down my cheek.

http://www.millaj.com/pics/fwparis08-gaultier0930086.jpg
Happy Wedding…

コメントを残す