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月別アーカイブ: 2013年2月

2013/02/11

シモンドン – Yahoo!百科事典

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シモンドン(しもんどん) [ 日本大百科全書(小学館) ]
廣瀬浩司

Gilbert Simondon
(1924―1989)
フランスの哲学者、技術史家、心理学者。サンテティエンヌに生まれる。1944年よりパリのエコール・ノルマル・シュペリュール(高等師範学校)に学び、哲学史家マルシャル・ゲルー Martial Gueroult(1891―1978)、メルロ・ポンティ、イポリット、カンギレムらの教えを受ける。1953年から1963年までポアチエ大学で教える。1958年「ゲシュタルトおよび情報の概念の観点からみた個体化」L’individuation la lumire des notions de forme et d’informationで学位を取得。同年『技術的対象の存在様態について』Du Mode d’existence des objets techniquesを出版。1963年『個体とその物理学的・生物学的発生』L’Individu et sa gense physico-biologiqueを出版。1963年から1983年までソルボンヌ(後のパリ第五大学)教授、1963年同大学に「一般心理学およびテクノロジー実験室」を創設。1989年『心的および集団的個体化』L’individuation psychique et collectiveを出版。
シモンドンの思想の主題は大きく二つに分類される。第一は、「個体化のプロセス」の哲学であり、第二は、技術的対象の発生論的考察である。
第一の個体化のプロセスの哲学において批判されるのは、アリストテレス的な質料形相論である。個体の成立を質料と形相の結合と考える質料形相論は、個体に先だつ前個体的なものから個体が生成してくるプロセスを記述できない。個体化のプロセスとは、過飽和状態にある前個体的なもののポテンシャル・エネルギーが顕在化するプロセスのことである。情報理論や量子力学に依拠しながら、このプロセスを生物学的、心理学的な領域から社会的、集団的な領域にまで拡張し、独自の自然哲学、存在論、倫理学を展開する。彼の個体化論は、ベルクソンやメルロ・ポンティの哲学を刷新するものとして、とくに1990年代以降のフランスの現象学研究者たちによって再評価されている。
他方、この個体化のプロセスがもっとも顕著に観察されるのは、技術的な活動においてであるとされる。この視点から、機械学(メカノロジー)とよばれる独自の技術哲学を展開する。機械を目的実現のための道具とみなす「機械=道具」説と、機械を人間からの自律においてとらえる「機械=自動機械」説の双方をしりぞけ、機械に固有な個体化のプロセスを発生論的に明らかにし、その時間性を問題とする。そのことによって、人間疎外論的な技術恐怖と、啓蒙主義的な技術信仰の二律背反からテクノロジーを解放し、テクノロジーと文化が内的に結びついた「技術文化」の創設を目ざすのである。こうしたシモンドンの技術哲学は、前記の個体化のプロセスの哲学に裏づけられながら、技術に固有な時間性を主題化することによって、ハイデッガーの技術哲学を批判的に継承し、それを具体的な技術史に適用したものとして、フランスの伝統的な科学史には収まりきらない独自な位置を占める。
シモンドンの個体化の哲学は、物理学者イザベル・スタンジェールIsabelle Stengers(1949― )やドルーズに大きな影響を与えている。とくに『差異と反復』Diffrence et rptition(1968)においてドルーズはシモンドンに依拠しながら、伝統的な主体概念を「前個体的な特異性」や「非人称的な個体化」として規定しなおしている。またシモンドンの機械学は、ボードリヤールのシミュラークル論や、ガタリの機械状無意識(フロイトの無意識と異なり、否定的なものとして抑圧されるのではなく肯定的な生産の場であるような無意識。また、単に生命的なものと対立する「機械論的な」無意識ではなく、欲望の流れを切断したり結合させたりしながら、技術的なものや社会的なものを横断するような集合的な無意識のこと)の思想に影響を与え、とりわけドルーズとガタリの共著『千のプラトー』Mille Plateaux(1980)では、シモンドンの技術論が「戦争機械」の概念に結びつけられて論じられている。またベルナール・スティグレールBernard Stiegler(1952― )は、シモンドンの技術哲学をデリダの差延の思想に結びつけて、技術と時間性の関係を分析している。
[ 執筆者:廣瀬浩司 ]

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2013/02/05

メモ:

Scriptorium 1 – libellus: 個体化理論の今昔
http://www.medieviste.org/scr1/archives/000260.html

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2013/02/04

現代の日本社会でアーティストとして生きる理由 -連載・コラム:CINRA.NET

メモ(以前TW上で田中功起の射程は私の当初予想より広いのではないかことについての注釈として。):
http://www.cinra.net/column/motannual2012.php?page=5

田中:ある考え方の下で規範化された場では、それを受け入れるから平穏に生きていける現実もあります。制度も慣習も、もともとこの世界を便宜的に区切って円滑に社会が営まれるように生まれたものですからね。でも、アーティストはその慣習から離れた場所にも可能性を求め、異なる立場から別の考え方を提唱することができると思うんです。ただ今回の作品は、美術館やその制度と安易に敵対するわけではなく、いわば共犯することで可能性を探りたいと。『踊る大捜査線』で言えば、室井(システム内部の変革)と青島(現場の変革)みたいな(笑)。そしてここで試されていることは、アートに限らずどの分野にも通じることかもしれません。アートの世界で変革ができないなら、社会全体も変えられないだろうというのが僕の今の考えです。

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